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大内かぶプロジェクト(美山町) 前編

美山町内久保にある大内地区で生産されている大内かぶが、京の伝統野菜にも選定されているということをお聞きして、取材をしてきました。

お話してくださったのは、大内かぶプロジェクトを立ち上げた渋谷清孝さんです。
渋谷さん

◆   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆

さて、そもそも大内かぶってご存知でしょうか。
500年以上前(室町時代の末期、戦国時代に入りつつある頃ですね)にシベリア経由で日本に渡ってきた欧州系のカブということがわかっています。
それが、なにゆえ京都府美山町のここ大内地区へ?・・・これは謎のままですが、なんだかおもしろいですね。

地元では、光瑞寺(浄土真宗)の報恩講の時に出された精進料理の『御講汁』に使われて、親しまれてきました。
でも近年、その習わしもなくなり、一時は栽培をされるお家もなくなっていたそうです。

大内かぶは、ひげ根が多く見た目がいびつで繊維質で、食べるのに約6時間も煮込まなくてはならないため、当時の家庭の食卓で出すにはハードルが高かったかもしれません。

ですが、今はたいていの家庭には圧力鍋がありますし、そういった調理法できちんと煮込むと他のかぶより甘みが強く、かぶの味も濃厚でおいしいし、実は抗酸化作用がブルーベリーなみに高いという研究報告もあります。
大内かぶ11

このまま過去の遺物になっていくのは非常にもったいないと、当時渋谷さんが教員として勤務されていた京都府立北桑田高校美山分校の農業クラブが栽培や研究をはじめ、美山での小学校の給食の提供、地域振興会の行政のバックアップなど、さまざまな人たちの努力と協力で、大内かぶは再生の道を歩み出しました。
地元の方が参加する大内かぶプロジェクトもこういった流れの中で生まれたそうです。

そうして今に至るまで、たくさんの料理レシピ開発もされてきました。
いつも食べている白い根部では無く、その上の葉の部分や菜花をスープやかき揚げなどにした料理も考案されました。

菜花は、大内かぶと同じく甘みがありながらもほろ苦さもあり、子どもでもおいしく食べられたそうです。
大内かぶプロジェクトでは、菜花も『美山・菜花』と名付けすでに商品化し、普及に力を入れておられます。
美山菜花

そんな折、京都府が新しい特産品にしようと『菜花』に着目し、いくつかの品種とともに大内かぶの菜花もその有力候補の1つとして栽培研究されることになりました。
大内かぶの歴史に新たな変化の予感です。

(後編につづく)
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南丹はなこ

京都府南丹市にて、地域おこし協力隊として活動しています。
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